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「父ノ背中」工兵インタビュー 10年後、20年後もゲームで存在感を出したい

 

日本最大級のリーチを誇るプロゲーミングストリーマー集団「父ノ背中」。2018年現在、チームの中で最年少メンバーとして注目を集めるのが工兵さんだ。このインタビューでは、工兵さんが持つストリーマーとしてのこだわり、そして学生生活とプロゲーマーの両立という難しいテーマについて伺った。

 


さまざまなゲーム経験から、プロへなろうと思ったきっかけを語る

 

――プレイヤーネームの由来について教えてください。
工兵:僕、本名が「こうへい」なんですけど、元々ネット上でも本名以外で呼ばれることに違和感があったんです。そこで、漢字を変えつつ、本名と同じ感覚で呼んでもらえるようにとこの名前にしました。漢字をあえて工兵にしたのにも理由があって、以前プレイしていた『バトルフィールド4』に工兵が兵科として登場して、それが記憶に残っていたので利用したんです。

――これまではどんなゲームをプレイして育ってきたのですか?
工兵:双子の兄がいて、子供のころはWiiの『スーパーマリオギャラクシー』を遊んでいました。あのゲームって2人プレイができるんで、一緒にそればかりやってました。あとは友達と『スマブラ』とかも遊んでいました。初めてFPSをプレイしたのは『モダンコンバット』というスマートフォン向けのゲームでした。最初はYouTubeでプレイ動画を見て面白そうと思ったのがきっかけでしたね。それから本格的にFPSをやりたいと思い、PCを買って『バトルフィールド4』を買いました。

――工兵さんの年齢でゲーム用のPCを買うというのは大変だったんじゃないですか?
工兵:当時学校で自由研究をしなければいけなくて、PCを使う内容に決めたんです。それで親に「学校の自由研究で使うから…」とお願いして…(笑)。


友人の誘いから始めたレインボーシックスシージ。ここからプロの道が始まる


――なるほど(笑)。そこから『レインボーシックスシージ』も始めると思うんですけど、どのようなきっかけで出会ったのですか?
工兵:きっかけは一緒にゲームを遊んでいたフレンドからの紹介でした。「こんなゲームがあるよ」と教えてもらったのが『レインボーシックスシージ』で、ちょうどオープンβを行っている時期だったので参加したんです。プレイしてみたら、これが、自分が求めてるゲームだとすぐに感じました。

――具体的に、どんなところが工兵さんと合っていると感じたのですか?
工兵:5対5でリスポーンなしのルールが自分のやりたいシステムだったのと、射撃の感覚が『バトルフィールド』に似ていてすぐに慣れたところです。武器も現代的で面白かったのも魅力に感じました。

――『シージ』をプレイする上で、好きな戦術はありますか?
工兵:基本的に味方をサポートするケースが多いですけど、理想としているのは一対多数の場面で大逆転を狙うような立ち回りです。ライブストリームをしているときに逆転劇ができるとコメントもたくさん来ますし、ついつい熱くなっちゃいますね。

 

――父ノ背中に入った理由についても教えてもらえますか?
工兵:父ノ背中ができる前にけんきさんが立てたクラン「学校長」に入っていたんです。そこで『シージ』もやっていたんですけど、『オーバーウォッチ』がやりたくなったので1回辞めたんですね。でも『シージ』を再開したい気持ちが強くなって、ちょうどそのときにチームとして出来上がっていた父ノ背中から声をかけてもらいました。

――チームに入る前、父ノ背中にはどんな印象を持っていましたか?
工兵:元々国内の大会でも優勝していましたし、強いチームという印象は持っていました。動画の配信もメンバーが主体的にやっていて、自由な雰囲気と人気の高さも感じていました。FPSを本格的に初めたのが中学生のときで、その当時から憧れでした。

――父ノ背中で仲の良いメンバーは?
工兵:らむさんは年齢が近いので、プライベートで遊ぶこともあります。あとBEESUNも、一緒にゲームを遊ぶことが多いです。

――父ノ背中に入る前と後で、身の回りに変化はありましたか?
工兵:プロゲーマーという肩書がついて、顔も知られるようになったので学校の友達からチヤホヤされることは増えました(笑)。あと全然知らない先輩から声をかけられることもありましたね。嬉しい半面、まだちょっと恥ずかしい気持ちもあって、簡単に挨拶だけして逃げるように去ってしまいましたけど(笑)

 


プロになってからの環境の変化も大きい

 

――プロゲーマーと学生の両立は難しくないですか?
工兵:大変といえば大変ですけど、学校は留年もせずになんとかなっているので大丈夫だと思います(笑)。学校の友達も多いし、ゲームも合わせて両方楽しめています。

――ちなみに、プロゲーマーになったことは家族にどう伝えたのですか?
工兵:最初は隠していたんですけど、最近バレてしまいましたね(笑)。でも反対されるわけでもなく、「まぁいいんじゃないの」くらいの感覚で応援してくれています。あと兄はゲーミングPCを見て「なんでこんなの持ってんだよ!?」と驚かれました(笑)。

――普段、どんな生活を送っているかも教えてもらえますか。
工兵:平日なら学校があるので朝の6時くらいに起きて、帰ってくると4時くらいになってますね。そこから晩ご飯とかをはさみつつ、基本的にはずっとゲームをやって、終わるのは12時くらいですね。本当はもっと長くプレイしたいんですけど、学校もあるのでなかなか…(笑)。休日なら朝まで続けることも多いんですけど。



練習時間をしっかりとりつつも、プロとして生活リズムにも気を遣っている

――晩ご飯というお話もありましたが、好きな食べ物などはあるんですか?
工兵:そこまで食にこだわっているわけではないんですけど、ラーメンは好きですね。辛い系とか、二郎系もよく食べに行きます。

――動画配信でも頑張っていると思いますが、ひとつひとつにどんなこだわりを持っていますか?
工兵:自分が見てて面白いと思う動画を作りたいと思っています。僕は上手いプレイを見せてくれる動画が好きなので、それと同じクオリティが出せるよう、上手くいったプレイをまとめたクリップ集にすることが多いです。だから動画の尺もできるだけ短めにして、見せ場が連続で来るようにしています。そのほうがリスナーも見やすいと思いますし。

 

――動画では、自分自身のキャラクターをどのように見せていますか?
工兵:父ノ背中では最年少ということもあって、「かわいい」とかよく言われるんです。でも僕自身としては「格好いい」と言われたいと思っていて、動画の方向性も格好よく見えるように意識しています。

――動画で挑戦してみたいことはありますか?
工兵:『Realm Royale』というバトルロワイヤル系のゲームがSteamでリリースされて、とても気になっています。BEESUNもプレイしていて面白そうだったし、父ノ背中のメンバーと一緒にプレイして動画にできたらいいですね。これに限らず、『シージ』以外のゲームも積極的に配信して人気を掴めたらと考えています。

――コンシューマのゲームに興味はないのですか?
工兵:ちゃんとしたストーリーがあるゲームも遊んでみたい気持ちがあって、そういったゲームを体験するには、やっぱりPS4は買いたいと思っています。一応自宅にはPS4があるんですけど、兄の物なので自由には使えないんですよね。ファンの方からは「PS4版の『シージ』をやってほしい」とメッセージをくれる方も多く、これからは考えていかなければと思っています。

――工兵さんにとって、プロとアマの違いはなんですか?
工兵:人からの見られ方が違うというのは、やっぱり感じるところです。プロになるとゲームをやってるだけでも声をかけられるし、期待されているとも感じます。アマと違ってすべての行動に責任が伴いますし、だからこそ「もっと強くなって注目されたい」というモチベーションにもなっています。

――最後に、今後の目標があれば教えてください。
工兵:今やっているストリーマーとしての活動を頑張っていくのはもちろん、大会に出て高みを目指したい気持ちもあります。『シージ』でも、他のゲームでもいいので大会に出場できるよう、実力をつけていきたいです。そうやって存在感を出して、10年後、20年後もゲームに関わる仕事ができたら嬉しいですね。



実力を伸ばすことを惜しまず、堂々としたプロの道を歩む


10代らしいあどけなさを残しつつ、ストリーマーとしては他のメンバーに勝るとも劣らないこだわりを見せる工兵さん。インタビュー中、「『格好いい』と言われたい」と話していたが、その願いも、自分自身の力で掴み取ってくれるはずだ。

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